9/24/2016

BCMJSIM

 BCといえば紀元前(ビフォー・クライスト、いまではビフォー・コモン・エラとも)、バンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア、飯田橋にあるブリティッシュ・カウンシルくらいしか思いつかない。でも、英語版ウィキペディアを調べればほかにもある。弾道係数(バリスティック・コエフィシェント;例のTHAADとかにも応用されているはずだ)とか。私が追試ばっかりの医学部をなんとか卒業し、羽田で母に見送られ福岡に旅立つとき使ったスカイマーク航空のIATAコードBCとか。

 私は少なくとも英語版ウィキペディアの質は高いと思っていて、これが広告なしで読めることの有り難みがやっと分かった。それで、こないだはじめて(みんながこの額くれたら大丈夫という)300円を寄付した。そしたらウィキメディア財団のジミー・ウェイルズさんからサンクスメールがきて「知識は基本的な人権であると私たちは考えています」と書いてあった。たとえ人権宣言や独立宣言が最終的に剣で勝ち取られたとしても、ペンがなければ平和はこない。

 さて、ウィキメディアさんも取り上げないBCにボード・サーティファイドというのがある。これは米国の専門医認定機構(ボード)に認定されたということだ。内科ならABIMというのがあって、これは内科学会ACPとはちがう独立機構だ。日本は内科認定医を内科学会が認定する。で、内科認定医は英語でBoard Certified Member of the Japanese Society of Internal Medicine(正式な略称はないので、仮にBCMJSIMとさせていただく;下図の文字列のなかにBCMJSIMを探してもないので悪しからず)。

 わたしはABIMのBC資格を持っていて、日本の資格はなかったのだが、ありがたいことに申請すれば書類審査でBCMJSIMが取れる。それで、申請したら無事に通った。もうこれで、日本でやっていける。さらに総合内科専門医というのがあって、Fellow of the Japanese Society of Internal Medicine(FJSIM)というので米国内科学会のFACPに相当するのだろう。非常に名誉な資格だが、「よき腎臓内科医はよき総合内科医です」みたいなことを殊更言ってもしょせん本職の総合内科医には敵わないから、今のところそこまではいいやと思う。

 というのが、学びたいことやとりたい資格はほかにもたくさんあるからだ。仕事関係では、内シャントの血管吻合は7−0プロリン糸で、PTFEグラフトと血管の吻合は4−0PTFE糸でそれぞれ縫うとか。高齢者、障害者、外国人など、誰かの視点に立ち行動する心づかいを学ぶ「ユニバーサルマナー検定」も、ぜひ取りたい。仕事以外なんて、ほんとうにきりがない。でも時間は有限だから、計画を立てて本当に学びたいことを学ぼうと思う。