B細胞の成熟は何段階かあり(Front Immunol 2019 10:1787)、まず同じ抗原によって活性化されたB細胞とT細胞が、リンパ節の濾胞の外側、B-T境界で接触する。これをレクチャの先生は「アプリか何かで知り合った二人が出会う」と表現しており興味深かった。
そのあとB細胞はリンパ節から出ていくものと、リンパ節で胚中心(GC)非依存のメモリーB細胞になるものと、濾胞深くに入って胚中心を作るものに分かれる。
B細胞のなかで抗原との特異性が高いものがリンパ節から出ていき、即応力として働く(initial burst)。そして、こうしてオプソニン化された抗原は貪食されて組織の樹状細胞に提示され、胚中心の特異性を高めることになる。特異性の低いものは、GC非依存のメモリーB細胞になる。Bach2、ZBTB32、KLF2、ABF-1、STAT5など遺伝子が関わっている。
胚中心には暗帯(dark zone, DZ)と明帯(light zone, LZ)があって、DZでは抗原受容体(BCR)にsomatic hypermutationが起きる。変異したB細胞はLZに移り、濾胞樹状細胞に提示された抗原との結合を試みる。結合できたものだけが、生存シグナルを受けることができる。そしてDZに戻って更に変異してはLZで選択を受ける。
その結果、特異性の低いメモリーB細胞と、特異性の高い形質細胞がGCから卒業する。形質細胞になるには、Tfh細胞の助け(Tfhの分泌するIL-21など)が必要で、じっくり作られる。Bach2発現は弱められる。メモリーB細胞は、Tfhの助けをあまり受けないうちに濾胞から早期に卒業する。Bach2発現は強いままだ。
移植免疫においては、免疫抑制薬が効いているので、GC後のB細胞がでてくることは少なく、GC前のB細胞が問題になる・・ようなことをレクチャで言っていた。録音されているので、もう一度聞いてみよう。