8/03/2007

小児患者さん

 この病院に来てから、救急外来で小児科患者さんも診るようになった。土日の午後から夜までなので、たいていの患者さんは、前日またはその日の午前に近くの小児科を受診しており、検査も受け、薬ももらっているのだが、にもかかわらず熱がさがらない、咳がとまらないなどの訴えで来られる。
 仕事としては、ただの風邪ではない肺炎などの疾患を見逃さないことが重要である。点滴治療などが必要か、入院治療が必要かなどを判断することも重要である。判断基準として、お母さんからみた印象、医師がみた印象、脈拍・血圧・体温などのバイタルサイン、診察所見があり、さらに、血液検査、レントゲンなどがある。
 まずは診た印象が重要だと思うが、ふだんの状態を知らないし、見逃したくない気持ちも強く働く。救急外来は、検査のできる施設であり、重症を見逃さないことが一番の仕事であるから、心配なら検査するのは間違いではない。しかし、白黒つかないグレーゾーンを小さくしていく努力が必要である。
 患者さんのお母さんから、何日発熱が続いたら来ればいいか、何日咳が続いたら来ればいいか、という相談もよく受ける。もっともなことだと思う。明確な基準はないと思う。おかあさんの不安・観察力・子供のもともとの状態などに左右されると思う。なので、これも結局「心配ならいつでも来てください」ということになる。大人の診療でも理論的には同じだが、小児科患者さんのほうが、より心配が強い印象。