高齢の患者さんがやってきて、人生に愉しみがないと言ってきたら、うつ・甲状腺機能低下症などの疾患をまず考えるのだろう。そういったこともなく、ただ愉しみがないと嘆く場合も、あるだろう。
悲観しているというよりも笑いながら、愉しみがないと言ってる場合もある。こんなときには、聴いてみればそれなりに楽しいことはあって、生活はなんとかできているのだが、これでいいのかなあ、という思いから言っているようだ。
日々の暮らしは、冒険にあふれたものではなくなっているであろう。また、趣味や勉学に励むとしても、今更の感をいだくかもしれない。そもそも、いまの自分には、高齢の方がどんな愉しみをもって生きているのか、想像できない。下手にアドバイスなど、できるはずもない。