9/06/2007

経験と知恵

 学年が上がるごと、直接診ずに方針を立てるようになる。知恵で補わなければ、到底できない仕事だ。夜間に電話を受ける当直がある。主に1年目の先生から、病棟から呼ばれた用件と、彼・彼女が問診や診察をして得られたこと、それについて考えたことを聞いて方針を立てる。とりあえず、電話口で得られるのはそれだけだ。話の内容がどれぐらい信用に足るかも込みで考えなければならない。かといって全例自分が行って聞くわけにも行かない。カルテを見直すこともできない。1つの方針を決めるにも二の足を踏んで、結局電話がだらだらしてしまう。1件に20分以上かかる。後輩にしても、さっさと指示をくれればよいのに、と思っているかもしれない。
 クロスカバーなので、相手チームの患者さんについても、担当者から病状について申し送りを受ける。しかし、それで起こりうる急変すべてを予知することはできないし、患者さんの背景なども把握しきるのは難しい。一つの対策は、日常から相手チームの患者にまで目を行き届かせておくこと。あるいは、コールがあるたび病院に出かけていって、1年目の先生と一緒に診察すること。重症そう・不安があるときには、そのほうが安全であろう。