感情の機微というのは外国人には分かりにくいものだ。先日恩師の先生が家族でうちに来た際に、アメリカの有名なコメディーThe Princess Bride、の名シーンを解説してくれた。先生とその家族は笑い転げていたが、私たちと訪れていた友人夫婦は、理解はしても別に笑えなかった。たとえば死んだ友人を生き返らせてくれと、主人公が奇跡を起こせる魔法使いのところに連れて行ったら、「彼は完全には死んでいない、almost deadだ」という。ここで爆笑が起こる。結局完全に死んでいないということで生き返らせるのだが。ちなみに、誰にもわかるようなドタバタ喜劇(Tom and Jerryのような)のことは英語でslapstickという。
怒りでも気づいたことがある。先日、病棟のcase managerもフェローも大変な思いをして患者さんを退院させようとしたのににうまくいかなかったことがあった。どちらも明らかに不満げであった。フェローがそれを話題にしようとcase managerに話しかけると、彼は「その話は聞きたくない、もういい、私の手を離れた問題だ」とシャットダウンした。私からすると、そこまで失礼な態度には見えなかったのだが、フェローはあきれてものも言えないほど怒り心頭だったらしい。あとで「ありえない!なんて失礼な!!」と怒り狂っていた。相手をあからさまに拒絶するのは失礼ということか、自分も気をつけようと思った。