5.(おまけ)入院中の中間報告
入院が長くなった患者さんがどうしているかは、患者本人や家族のみならず外来主治医も非常に気にかけているものである。だから、先生方も日常の診療業務が忙しいのは分かるが、もし時間のあるときに手短でもいいから一筆お手紙を書くと、先方からとても感謝されるだろう。もし本当に時間がなければ、電話でもいいかもしれない(が、外来主治医の先生も診察で日中は忙しいので電話に出るヒマがないかもしれない)。たとえばこんな感じに書いたらどうだろうか;
(文例)
[外来医]先生 ご机下
お世話になっております。先生におかかりの[患者名]様は[入院日]より[主病名]で入院しておりますが、入院期間が長くなってまいりましたので一度先生に経過をご報告しようとお手紙を書いております。
入院時に[病歴]、[身体所見]、[検査所見]を認め[主病名]の診断で[治療]を開始しましたが、[①病勢が強い、②患者さんの体力が弱い、③治療の副作用がでた、④合併症を起こした、⑤後遺症が残った、⑥治ったが転院先がない、など]により依然入院が必要な状態です。
ほかに[副病名①、副病名②、副病名③…]についても現在加療中で、[経過:①軽快、②合併症、③後遺症、など]な状態です。
取り急ぎ現在までの経過をご報告に上がりました。経過が思うように進まず遺憾ですが、引き続き最善を尽くして治療を継続していく所存です。病状が変わり次第、またご連絡差し上げます。ご不明な点やご質問がございましたら遠慮なくお尋ねください。それでは今後ともよろしくお願いいたします。
私も中間報告はあまりしなかったので、もっとよい文例をお書きになる先生がいたら、そちらを参照して欲しい。
6.おわりに
ここまで研修医の先生方がよく遭遇すると思われるお手紙を書く状況について、簡単に重要なポイントを示してから文例を紹介した。すでに知っている内容かもしれない(まとまった教育を受けなくても、なんだかんだ言ってみんな書いているわけだから)し、何か新しい発見があったかもしれない。いずれにせよ最後に言いたいことは、お手紙とは相手があってはじめて書けるものだということだ。だから、相手に必要な情報、相手への敬意や感謝を意識して書くことが重要だ。自分だったらどんなお手紙を受け取りたいか考えるとよいだろう。