10/10/2024

移植腎生検あれこれ

  ピアノレッスンは、先生の演奏を観て聴いて学ぶことはあまりなく、先生はアドバイスをすることが多い(ピアノが2台あって、マスタークラスのようなレッスンなら別だろうが)。しかし、いまの施設での腎生検は、指導医の手技を診て学ぶ機会もけっこうある。

 指導医の手技は自分(針先)がどこにいるのか、そしてどこにいるべきなのかが分かりやすい。浅すぎず、深すぎず。たいていは、ちょうどよい当たりで押し付けすぎずにトリガーを引く。かといって、引き気味というほどではない。トリガーを引くときには、しっかりその位置を保つようにしないと、組織が固めの時に発射の内筒が刺さらず跳ね返ってしまう。

 いまの施設での腎生検は、超音波技師が描出してくれる。そして、生検する際は腎臓の下極(尾側)を少しだけ横断面で写す。そのため、刺入範囲に髄質や腎門がない。また、ドップラーで腎周囲に血管がないことを確認する。