10/18/2007

スーパーバイザー

 いまの立場では、後輩の先生達を監督することが求められる。つまり、自分で直接患者さんを診るのではなく、後輩の先生達が聞いた話や診察した結果をもとに、方針をきめたり指示したりする。最初は、自分で診なくていいから楽チンだと思ったが、ぜんぜんそんなことはない。
 患者さんの問題が単純で後輩の先生の診立てでよいときは、「うん、いいんじゃないか」といって居ればよい。でも、実は患者さんの問題が重大であるにもかかわらず、そうでなく聞こえてしまったときに「うん、いいんじゃないか」では済まされない。つねに落としがあると思っていなければならない。最初は、ほぼ全例患者さんを結局一緒に診察するくらいがちょうど良いのであろう。
 救急外来でスムーズに診察するにはtime managementが要求される。具体的には、この患者さんにはこの検査をして、この科の先生に相談して、この注射をして、入院・帰宅する、というコースを想定しつつ、それを把握するために重要な情報を、初療の病歴や診察から得ていくということである。そして、カルテをさっさと書くということである。
 自分は前の病院で先輩方に教わったので、なんとしても後輩に伝えなければならない。まあそんな自分こそ、なんとなくそれがわかるのに丸2年かかった気がするし、いまの後輩の先生のほうがきっと覚えは早いのだろう。