10/27/2007

引継ぎ

 確かに引継ぎは大事だ。しかし、救急外来は「どさくさ」であり病歴も入院医ほど完璧にはとれないし、検査も限られている。大きく方針のかわる、重要な疾患を見逃した(あるいは念頭におかなかった)となればfeedbackを受け改善すべきだが、細かな病歴を取っていないなどと責められても困る。
 それは、入院を受ける「病棟主治医」の仕事である。米国では入院を受け持つ場合に問診と診察に1時間かけるという。入院医は、患者のデータベースをつくらなければならない、知らないことがあってはならない。それも、救急医の得た情報を鵜呑みにせず、オリジナルに聴取するのが筋である。
 引継ぎは、大まかに患者さんのことを知らせるためにするのであり、それがカルテだけで十分なら、相対してしなくてもいい。決して、後医が前医を侮辱するためにするのではない。なんといっても「後医は名医」なのである。