10/27/2007

言いがかり

 うすぐもりで初雪の気配もありつつも、陽射しを感じてまだ暖かい朝。夜間帯に受診し入院となった患者のうち、総合内科に入院した方について、寝ぼけまなこで総合内科の担当チームに引き継いだ。引き継ぐ患者さんは、私が直接診ていない方(昨晩22時までの人から引き継いだ)。引き継ぐ相手は、以前から馬の合わない同学年の先生。正直気が重い。直接診ていないので、カルテを見ながら引き継ぐ。
 「この方は、○○で、今朝から・・・」
 「今朝ですか?昨日ではないのですか?」
 日付をまたいで勤務しているので間違えた。今朝からって、こうして話しているいまが今朝だから、そんなわけないと思うのだが。
 「ご家族によれば・・・」
 「ご家族って誰ですか?」
 「・・・」
 「ご家族は今日は来るんですか?」
 カルテに書いていない以上わからない、しかしそれがそんなに重要なことだろうか。誰が家族の代表かなど、基本的な情報は看護師が入院時にデータベースとして取っているから参照すればいい。必要ならその人に電話すればアポイントを取れる。まだ誰になるかも分からない主治医の都合もわからずに「何時に来てください」と前もって確約することもできない。
 だんだん、言いがかりに思えてきた。要するに、直接診ていない人から引継ぎされても意味がない、直接診た先生から引継ぎを受けたい、という怒りを私にぶつけているようだった。救急部と総合内科の取り決めで、総合内科医が夜中も入院を受けるのは大変だからと救急部が朝まで肩代わりしているのである。私に言われてもどうしようもない。
 22時までの勤務の人に翌朝来させることもできないので朝まで勤務の者が引き継ぐことにしているが、これは今に始まったことではない。こうして言いがかりをつける先生も、救急部で働いていた時には同じことをしていたのだが。どうも、理解に苦しむ。
 その先生はこの病院の生え抜き研修医であり、私は新参者であるから下手に悪く言うのも却って周りの不興を買うと思い今までの不愉快な件については黙っていた。しかし今回の件は引継ぎというシステムについての話で、個人間のレベルを超えるので、救急部の先生に相談した。上記の認識で一致したので、少し溜飲が下がった。