7/02/2008

来たからには

 ついに初出勤、クルマに乗り込み病院へ。外来業務で、そんなに人数を診たわけではないが、まだ慣れず、英語もタドタドしい。しかし免許もあり知識と経験もあるのだからと、keep my chin upして過ごした。スタッフはサポートしてくれ、私も間違いを犯したわけでもなく、突然気分の悪くなった患者さんにも対応し、カルテも書いて処方箋も書いて診療の一部を担当できた。
 私の担当するurgent careは、みな初めて会う患者さんばかり。迅速で必要十分な情報収集が求められる。患者さんが診察室に入ると呼ばれ、扉にカルテが置いてある。扉の前でカルテをめくるが、既往歴、前回受診時のカルテ、最近の検査データ、内服薬、今日看護師さんが取ってくれたバイタルサインなど情報は無限だ。今回の来院にrelevant(関連のある)なものを選び整理する。
 診察を終えると部屋からでて、カンファ室で指導医に説明する。なかなかcoherent(理路整然)にいかないが、指導医はOkey、Okey、と相槌打ちながら聞いてくれるのが幸いである。カルテをじっくり読み直す時間や文章を練る時間もなしに考えを伝えるのは難しい。だが、思えばその訓練をしに米国に来たようなものであるからがんばろう。
 また、米国では眼底鏡がどの診察室にも置いてある。人体で唯一血管を生で診ることのできる場所であるから、血管病変(高血圧、糖尿病、動脈硬化など)を疑う患者では必須の診察事項となっている。日本でも、もちろん自分で眼底鏡を買って診察してよいのだが、今までしてこなかった。あいた時間に一緒に外来している同期の研修医と練習しあったが、なかなか難しい。