7/04/2008

日々是精進

 昨日は患者さんが手術室に運ばれたり、救急外来に運ばれたりとバタバタした。あくまでもdoctor's officeで、本来は血圧の相談などを座って行う落ち着いた場所のはずなのだが。外来から手術室に直接運ばれたのは数年ぶりだという。
 そして今日は、患者さんを救急外来に送った(点滴が必要なため)。吐き気とだるさ、立ちくらみを訴えていた糖尿病の女性だったが、そのような場合に心筋梗塞が疑われることは知っておかねばならない。幸い心電図にそのような異常はみられなかった。
 患者さんにも色々な人が居る。喘息の男性で、発作時の吸入薬と発作予防のための吸入薬を混同している方が居た。発作予防の薬は、発作のときには効かない。それを身振り手振り伝えたら「ありがとう、教えてくれたのはあなたが初めてだ」という。嬉しくなったが、実は何度説明されても理解できない常連さんだった。今回は理解してくれたならいいが。
 また、原因不明の慢性腰痛で苦しむ女性が、痛みのため眠れず食事も出来ないという。予定されていた腰骨の検査は延期になり、ペインクリニックの予約は来月で、どうにもならないと涙ながらに訴える。大変ですね、お気持ち分かりますなどと話し、相手の話を聴いていると、笑い出した。「この一週間ではじめて笑ったわ」という。
 本当になんとかしてあげたかったのだが、指導医とも相談してnarcotics(麻薬:米国ではかなり一般的に処方される鎮痛剤)を処方することにした。しばらくして指導医があきれた表情でいうには、さっきまで泣いて一人で立てなかった彼女が、受付で杖なしにperfectly confortableな様子だという。narcotics目当てだったのだという。確かに見ると笑顔だ。
 ちょっと信じられない。何年も検査を受けており、腰骨に異常も見つかっている。いままでnarcoticsが処方された形跡もない。それに、薬物依存の患者さんは、たいてい怒って切迫しており、「この人には薬が必要です」という偽の紙などを持っている。出来れば、患者さんの訴えが本当であってほしい。