日本でもそうだったが、バイタルサインのなかで血圧は医師がよく診察する。診察前の測定で高かった場合に、再確認のためにもう一度測定することになっている。血圧はsilent killerと呼ばれ症状はないが、血管に負担をかけ心臓をはじめ各臓器に長期的に影響を及ぼす。だから医師が早期に診断して早期に治療をはじめなければならない。
患者さんにしてみれば「症状がないのに治療しても・・一生薬を飲まされるのは不快だ・・」という気持ちや、「医者が病気をつくって症状もない人にどんどん薬を処方したいのか」「どんな薬にも副作用がある、長く飲むなんて却って悪いのではないか」という見方まであるだろう。正直、一個人としての私の中には共感している部分がある。
でも医師として正しい知識をみにつけねば。外来診療で最も遭遇する病気であり、なにをどのようにすればよいか諳んじられるようでなければならない。指導医の先生がJNC(Joint National Committee)の最新版ガイドラインをくれたので、早速読もう。その上で、患者さんと接しながら自分なりの哲学を持とう。できれば薬を使わない方法を模索したい。