仰々しい題目だが読んでみると基本的なことが書いてあった。プレゼンの目的を知れ。プレゼンの対象を知れ。「主訴→HPI→既往歴…」の順を守り聞き漏らすな。主訴は患者の言葉で。HPIの冒頭は新聞の見出し(lead)のようにその一行でだいたいの背景や状況が分かるようにしろ(そうすれば聞き手がそのあと、それに合わせて有ること無いことに注目しながら聞けるので)。見出しで始めるのは、私も気に入っている。
HPIは時系列に沿って、元気だったときから病院に来るまで漏れなく描写しろ。アレルギーは何をいつ摂って何が起こったのか書け、絶対に(これをおろそかにすると、いつか医原性の恐ろしいことが起こりうる)。身体診察は「容貌→バイタル→頭から足」の順を守れ。アセスメントではプロブレムリストを立てろ。分かる範囲で書け(診断が着いているなら診断名を、着いていないなら症候など臨床上の問題点を)。この本の著者はアセスメントをプロブレムリストと同一視してているようだが、私はここに臨床推論を含めるべきだと思う。
プランには治療と診断(検査)計画のほか患者教育、フォローアップなども含めろ。医学生なら抽象的なプラン(抗生剤)でいいが医師になったら「何の薬をどのようにいつまで何を指標に続けて、以下の副作用に注意し出現時はこう対応する」等できるだけ具体的に書ける様になるのが望ましい。食事、運動、ストレス、検診計画までたてられたら理想的だ。S→O→A→Pの順を守れ。プレゼンのフィードバックしてくれたりカルテチェックをしてくれる先輩医師に感謝しろ(私もそう思う)。