11/05/2014

忘れられない一言 20(aka Avicenna)

 Rhazeの次に紹介されているのが有名なAvicenna(Abu Ali Sinna、またはHakim Ibn Sinna)だ。この人はBook of Healingと、14冊からなり以後700年にわたり医学書の基礎として伝承されることになるCanon of Medicineという本を書いたペルシアの医師だ。あのOsler卿もこの本を”a medical bible for a longer time than any other work”と記している。
 彼もRhaze同様に観察を重視したがそれを広げ、実験したり治験したり感染症の概念を提唱して検疫をはじめたりした。またRhazeとちがい先人から学ぶ姿勢が旺盛で、ヒポクラテス、ガレン、アリストテレス、Rhaze、そしてインド医学の影響を受けた。心身のつながりについてもよく言及し、王子が恋人に振られたあとは彼女の名前や住所を聞いただけで不整脈がでたのに、よりを戻したらたちまち治ったエピソードを紹介しており笑える。Avicennaの節を著者はこう締めくくっている。

 He reminds us to look back to our ancestors and learn from them to create new knowledge in a scientific manner and to use the information gained to reach out and heal our current patients.