7/31/2024

Biopsy techniques

 腎生検の手技は施設によって異なるため、様々な施設のやり方を知ると良いところを参考にできる。たとえば:

 ①穿刺針のガイドを穿刺針の太さと同じものにする。以前は「きつくならないように」と18G針より少し大きな(17Gや16G)ものを使っていた。ぴったりにすると非常に通しにくいが、そのぶん針が皮下でぶれないので、超音波画面に映りやすい。

 ※コツは、プローブの面とガイドの角度をよく見て、無理して入れようとしないことである。無理して入れると、途中でひっかかり、上手くいかない。最初のうちは「こんなところでつまづくとは・・」という気持ちになるくらい入らなかったが、徐々に慣れてきた。

 ②超音波プローブをちょうどよい位置に置いた状態で穿刺針を通す。以前は、穿刺針を通してからプローブを当てていた。しかしそれだと、腎臓からや麻酔した場所から位置がずれてしまう。

 ※穿刺針を通す場所を皮切することもない。ある程度の抵抗はあるが、適切な力をいれれば刺入できる。

 ③皮下に入った後も角度をぴったりガイドに合わせる。これをやらないと、針が反ってしまい、針先が画面に映りづらくなるのみならず、引き金を引いた後にうまく針先が刺さらないことがある。

 この三つに気をつけることで、だいぶんI know what I am doingな感じになってきた。「説明できない奥義」のような腎生検の手技も、こうしてある程度かいつまんで解説すれば、未習熟な手技者のスキルアップにつなげられる。


7/30/2024

de novo DSA and ABMR

1.de novo DSA(dnDNA)

 dnDNAによるABMRは、preformed DSAによるABMRに比べて蛋白尿が多くtransplant glomerulopathyを起こしやすくグラフト予後が不良な傾向にある。dnDNAは移植後5年で15-25%に起きるとされ、リスク因子にアドヒアランス不良、免疫抑制薬の減量、高率のeplet mismatch、若年、先行するTCMRなどが挙げられる。

 免疫抑制薬のなかで特に重要なのはタクロリムスで、同薬中心のレジメンはシクロスポリン中心のレジメンに比べてdnDNAが生じにくい。タクロリムスのトラフ濃度を下げ過ぎないことも重要で、最初の1年は少なくとも7-8ng/ml以上、1年後からは5-6ng/ml以上でdnDNAを予防できる。

 ただし長期のCNIは腎毒性を生じるため、施設や症例によってはBelataceptへの切り替えが考慮されることは以前に述べた。BelataceptがdnDNAを生じにくいのは、Tfh(follicular helper T)細胞がB細胞を活性化・分化させるのに必要なB7/CD28共刺激シグナルをブロックするためと考えられている。

2.MHC Class

 クラスIはほぼすべての細胞にあり、他者(ウイルス、がんなど)に侵された際に抗原を提示して自らを細胞傷害性(CD8+)T細胞に破壊してもらう警報のような役割をしている。HLAクラスIIは抗原提示能を持つ細胞にあり、貪食した細菌などをヘルパー(CD4+)T細胞に提示して、CD8+T細胞やB細胞を活性化・分化させる。

 現在腎移植ではクラスIのHLA-A・BとクラスIIのHLA-DRの3×2=6 allellesをマッチングの対象にしているが、抗HLA抗体はクラスIIに対する抗体のほうがクラスIに対する抗体よりも消えにくいことが分かっている。

 HLA-DQ・DRをマッチさせればグラフト予後を改善できるが、クラスII抗原はクラスIよりも多型が多く、そんなことをすれば移植を受けられる患者は激減してしまう。現行のA・B・DRですら、2/2/2ミスマッチと分かっていても免疫抑制でなんとかしている。

3.Eplet

 抗HLA抗体が認識するのは抗原の一部であり、その15-22アミノ酸配列(直径1.5nm程度)をepitopeと呼ぶ。抗体の認識に決定的な部位はさらに小さく、数アミノ酸配列(直径0.3nm程度)しかない。これをepletと呼び、あるHLA抗原に固有のものと、他のHLA抗原と共有されているものがある。

 現在では前述のおおざっぱなHLAミスマッチだけでなく、eplet mismatchや、アミノ酸配列レベルのミスマッチまで調べることができる(epitopes.netやhistocheck.orgなどのソフトフェアがある)。そして、当然ながら同じHLAミスマッチでも、eplet mismatchが多いほどDSA産生やグラフト喪失のリスクが高いことが知られている。

 ただし、すべてのeplet mismatchが同じリスクなわけではなく、アミノ酸配列や極性、親水・疎水性などに左右される。どこに何個どのようなミスマッチがあると総和リスクはどれくらいかが分かるようになるのは、もう少し先のようだ。

4.Pathogenicity  

 すべてのDSAが同じ拒絶リスクを持つわけではない。MHCクラスについてはすでに述べたが、高MFI、IgG3サブクラス、C1q結合能はリスク因子である(そもそも、IgG3は全サブクラスのなかでもっとも補体結合能が高い)。また、Fc部分の糖鎖配列、抗原との親和性、グラフトにおけるHLA抗原の分布なども影響すると考えられている。


 

7/28/2024

Treatment of ABMR

 移植腎が廃絶する原因で最も多いのがABMRであり、ABMRの治療は難しい。抗体による疾患と言う意味では自己免疫疾患に似ているし、抗体産生の元がB細胞や形質細胞であるという意味では血液疾患にも似ている。下図のようにさまざまな治療ターゲットについてさまざまな治療が行われ(試され)ているが、効果と安全性は一貫していない。

(出典はCurr Opin Organ Transplant 2022 27 405)

 このなかで、現在よく行われるのは血漿交換とIVIGである。血漿交換は血漿量×1‐1.5の除去を連日または隔日×4‐6回、IVIGは血漿交換ごとに100‐200mg/kg、または単独で2g/kgが通例である。

 なおエキスパート・コンセンサス(Transplantation 2020 104 911)はステロイドも標準治療に載せている。経験的なものであるが、上図のようにB細胞の活性化にはT細胞(とくにfollicular helper、Tfh cell)が重要である。また、純粋なABMRということはあまりなく、多くはTCMRを合併している。そのため、Thymoが併用されることもある。

 抗体そのものをターゲットにした治療に、IdeS(imlifidase)がある。IdeSはStreprococcus pyogenesで見つかったIgG全クラスの重鎖を切断する酵素に由来し、腫瘍崩壊症候群の高尿酸血症に対するrasburicaseのように、一時的に血中のIgGを激減させる。現在は移植直前の脱感作に用いられているが、ABMRにも治験されている(NCT03897205)。

 次に標準的になりつつあるのがRTXで、375mg/m2の単回投与が通例である。よく引用されるエビデンスのRITUX-ERAH試験(Transplantation 2016 100 391)は、血漿交換3回+IVIGを受けた38例のABMR患者をRTX群とプラセボ群に分け、その後血漿交換2回+IVIGを行ったものだ。12か月後のグラフト機能・予後に有意差はなかったが、プラセボ群の8例もrescue therapyとしてRTXを受けたので、解釈は難しい。ステロイド併用例にRTXを追加した効果を調べる治験が進行中である(NCT03994783)。

 また、抗CD20モノクローナル抗体でRTXよりもヒト化されたObinutuzumabも、RTXよりも効きそう?というわけで試されることがある。

 他にB細胞をターゲットにした治療に、syk(spleen tyrosine kinase)阻害薬のFostamatinib、抗IL-6受容体モノクローナル抗体のTocilizumab、抗IL-6モノクローナル抗体のClazakizumabなどが試みられているほか、DSAを減らす効果のあるBelataceptのBELACOR試験(Am J Transplant 2019 19 894)も行われている。

 しかし、感作されたB細胞は、メモリーB細胞や形質芽球、形質細胞に分化してしまう(下図)。そこで、Bortezomib、抗CD38モノクローナル抗体Felzartamabなど、骨髄腫に用いられてきた薬が治験されている。Felzartamabの第2相結果は7月11日に発表され(NEJM 2024 391 122)、安全性はacceptableであった。

(出典はBiol Blood Marrow Transplant 2009 15 104-113、*形質芽球はCD20陰性)

 なお、CD38は炎症の主役であるNK細胞にもあることから、抗体産生だけでなく拒絶反応を緩和する効果も期待されている。

 抗体が血管内皮細胞に結合した後の補体反応を抑える治療に、C5ないしC1をターゲットにしたものがある。抗体は消せなくても、補体反応を抑えればそこで傷害をシールドできるから大丈夫、という考え方である。

 C5についてはモノクローナル抗体eculizumabが試されている。よく知られているのは、移植前後に何十回も血漿交換で脱感作しても3週以内に重度のABMRを起こした患者5例に、脾摘とeculizumabを併用したところ、1例のグラフト廃絶もtransplant glomerulopathyも起きなかったという報告である(Transplant 2014 98 857)。DSAは消えなかったが、補体反応はシールドできることが実証された。

 しかし、患者には尿路感染症(80%)、肺炎(40%)、CMV血症(20%)、菌血症ないし敗血症(40%)、皮膚軟部組織感染症(60%)、C. diff感染症(60%)などが起き、これらは脾摘単独やeculizumab単独に比べて多い結果だった。

 「ふたつよいこと、さてないものよ」とはよく言ったものだが、現時点では最終兵器の位置づけである。今後、長時間作用の第二世代ravulizumabなども試されるかもしれない。

 抗C1治療には、C1-INH(Cinryze®とBerinert®)と、抗C1モノクローナル抗体Sutimlimabがあり、それぞれ遺伝性血管浮腫、寒冷凝集素症に認可されている。

 C1-INHは標準治療にadd-onして6ヵ月後の腎生検でtransplant glomerulopathyが診らなかったという報告はある(AJT 2016 16 3468)が、その後のRCTは有効性が示せず中止されている。

 Sutimlimabは第1相試験で腎機能に変化はなかったが、患者の多くで腎病理のC4d沈着が消えていた(AJT 2018 18 916)。現在、第2相試験が行われている(NCT05156710)。

 ・・ここまで、さまざまな治療選択肢を紹介したが、これだけ知っていても「こういうときにはどうしよう?」という治療戦略はわからない。それは診療経験を積む中で培うしかないとも言えるが、次回はその参考になるかもしれない、さまざまな免疫学的リスク因子についてまとめたい。

7/27/2024

Treatment of TCMR

  拒絶の治療は、ざっくり言えば①TCMRにはステロイドとThymo、②ABMRには血漿交換とIVIGとRTXである。とくに前者は余り変化がなく、例えば

・Banff Ia        mPSL 500mg × 3-5日

・Banff Ib        mPSL 500mg × 3-5日

                        または

                      Thymo 1.5mg/kg × 5-7回(回復するまで)

・Banff II/III   Thymo 1.5mg/kg × 5-7回(回復するまで)

 といった具合である(CJASN 2020 15 430)。もちろん、施設・医師・ケースごとに差があり、ステロイドなら250mgなこともあれば1000mgなこともある。データは質量ともに乏しく、一応KDIGOガイドラインはあるが(AJT 2009 9 S1-S155)、

・Subclinical/borderlineな急性拒絶も治療すべき(2D)

・初期治療はステロイドを推奨(1D)

・ステロイド非使用レジメンの患者には維持ステロイドの使用を推奨(2D)

・ステロイド不応例にはThymo/OKT3の使用を示唆(2C)

 としか書かれていない。前述のように過去には「ステロイド反応拒絶」と言われていたので、治療の基本はステロイドである。



7/26/2024

忘れられない一言 73

  外来でプレゼンしていたら、指導医が"Thank you for being thorough"と言った。カルテのどこにどんな情報があるかが少しずつ分かってきたためであるが、嬉しかった。こが先生は非常にthoroughを大事にしていることは知っていたが、すごいのは「もっとthoroughにならなければいけない」というnegative reinforcementではなく、positive reinforcementを自然にしていることだ。

 Positive reinforcementの重要性は誰だって理解しているし、自分が教わる立場ならそう言われた方が嬉しいのもわかっている。とはいえ、いざ教える立場になると、どうしても相手の(できない点、というのもよくないので)改善すべき点を指摘しがちである。にもかかわらずpositive reinforcementをするこの先生は、おそらくそうやって教わってきたのだろう。



Banff 3

  ここまで、v・i・t・g・ptc・C4dについてみてきた。これで終わりかと言うと、そんなことはない。アルファベットの練習みたいだが、他にはcg・ct・ci・cv・ti・i-IFTA・t-IFTA・ah・mm・pvlがある。詳しくはBanff財団ウェブサイトを読んで学ぼうと思うが、ざっくり言うと:

 cで始まるものは、chronicを意味する。cg(chronic glomerulopathy)は、基底膜の二重化などを特徴とする慢性の糸球体症で、graft failureの原因になる。cv(vascular fibrous intimal thickening)も、慢性拒絶のサインである。ci(interstitial fibrosis)も線維化なので、慢性変化である。

 ti(total inflammation)・i-IFTA(inflammation in fibrosis)、t-IFTA(tubulitis in fibrosis)は、慢性活動性(chronic active)TCMRに用いられる。

 pvl(polyomavirus load)は、BKウイルス腎症に用いられる。ah(arterial hyalonosis)とct(tubular atrophy)は、典型的なCNIの腎毒性である。mm(mesangial matrix expansion)は、IgA腎症の再発などで見られる。

 

Banff 2

  抗体関連拒絶は、いくつかの変遷を経ている。歴史的には、①急性の組織傷害、②C4d沈着、③血中のDSAのすべてを含むと定義されていた。しかし、②と③は不可欠ではなくなった。

 1つ目の急性の組織傷害とは、①微小血管の炎症(g>0 and/or ptc>0)、②動脈の炎症(v>0)、③TMA、④急性の尿細管傷害のいずれかをいう。gは糸球体炎のことで、全糸球体の25%未満をg=1、25-75%をg=2、75%以上をg=3と定義する。

 ptcはperitubular capilaritis、つまり尿細管のそばにある毛細血管の炎症である。具体的には、皮質にみられる毛細血管の10%以上で、内腔に好中球が集まっていることを指す。好中球が最も重度なところで3-4個集まっていれば軽度(ptc=1)、5-10個なら中等度(ptc=2)、10個以上なら重度(ptc=3)と定義する。

 2つ目のC4dとは、抗体が補体反応を惹起した際に出るsplit productのことであり、「抗体関連拒絶といえばC4dの沈着」というイメージであるが、C4d陰性の抗体関連拒絶が多数報告され、その限りではないことが分かってきた。そのため、g+ptcのスコアが2以上あればC4dに代替できるようになった。

 C4d陰性でも、抗体関連拒絶なら何かしらの特異的な反応は起きているはずである。そしてそれは、「ふむ、どんなものかな」と顕微鏡を眺めているだけでは限界がある(達人の域に達すればわかるのかもしれないが、客観性に乏しい※)。

 そこで、アルバータ大学などのグループがMolecular Microscope®というプロジェクトを始めた。腎生検の検体からmRNA発現の変化を核酸増幅法を用いて調べるもので、これにより抗体関連拒絶で変化する遺伝子産物を同定することが可能になった。

 遺伝子はレシピエントNK細胞由来(FGFBP2、GNLY)、ドナー内皮細胞由来(ROBO4、DARC)などさまざまである(AJT 2017 18 785)。こうしたgene transcrpitsの発現増加も、C4dに代替できるようになった。・・とはいえ、今はまだ研究施設での使用にとどまっている。

 ※なお筆者は、mass spectroscopyや上述のmRNA増幅法など、腎生検の検体を分子生物学的に分析する方法に期待している。それが病態解明につながる道だと思うし、病態が解明されれば診断や治療にもつながると信じたい。

 3つ目のDSAは、「抗体関連ということは、抗HLA抗体が悪いのでしょう?」というわけで考え方としてはわかるが、意外と陰性なことがある。抗体量が組織レベルのごく少量なのか、非HLA抗体(AT1R抗体など)のせいなのか、諸説あり未解明である。

 いずれにしても、現在ではDSAは必ずしも必須ではなくなっている(C4d陽性またはgene transcrpitsの発現増加で代替できるようになった)。


Banff 1

  Banffカテゴリーは全部で5つあるが、①正常組織、②抗体関連拒絶、③ボーダーラインT細胞関連拒絶、④T細胞関連拒絶、⑤BKウイルス関連腎症というわけで、中心は②と④の二つである。そこで、まず④を概観する。なお、定期的に改訂されるBanffであるが④はほとんど変化がないので安心?である。

 T細胞性関連拒絶はv(動脈内膜の炎症)の有無によりIとII/IIIに分けられる。Iは炎症がない(v=0)が、もちろん他の場所には炎症がある。すなわち、間質と尿細管に炎症がある(i≧2、t≧2)。

 間質の炎症があると、尿細管どうしがback-to-backでなくなり、リンパ球が浸潤する。t≧2とは、その範囲が皮質の26%以上(50%未満が2、50%以上が3)ということだ。

 尿細管に炎症があると、尿細管細胞のなかにリンパ球が巣食う。それが中等度(5-10個、t=2)だとIa、重度(10個以上、t=3)だとIbと呼ばれる。

 これらの変化のみならず、動脈内膜にも炎症が有るものをII/IIIと呼ぶ。こちらも動脈内膜・内皮細胞にリンパ球が巣食うが、それが軽度(内腔の25%未満が喪失)だとIIa、中等度(26-50%が喪失)だとIIb、重度(50%以上が喪失)だとIIIになる。

Banff 0

 急性拒絶のリスクは黎明期には100%に近かったが、現在では10%程度である。以前は"steroid responsive"と"steroid non-responsive"に分けられていたが、現在では前者がT細胞関連拒絶(T-cell mediated rejection、TCMR)、後者が抗体関連拒絶(antibody mediated rejection、ABMR)に相当することが分かっている。

 ※このことは、ネフローゼが依然「ステロイド反応型」と「ステロイド不応型」に分けられていることと比較して興味深い。腎生検をしても、しなくても、結局まだ病態が完全に解明されていないので、治療効果で分類するしかない(たとえ「微小変化型」と言われても、ステロイドに不応だと「FSGSかもしれない」などとなる)。

 移植時の拒絶リスクとして重要なのは、①DSA、②A/B/DRミスマッチ、③アフリカ系、④若年患者である。ただし、DSAはMFIや抗体価(希釈倍率)などにもより、MFIが3000以上だと12か月後の拒絶率が高かったという報告がある(AJT 2016 16 3458)。

 移植後の拒絶リスクとして重要なのはタクロリムスの有無とトラフ値である。タクロリムスの非使用・低用量レジメンは腎毒性を改善するが拒絶リスクを高める。またタクロリムス濃度を低下させる原因として大切なのはアドヒアランスであり、若年患者ほどそのリスクが高いとされる。

 拒絶を疑ったら、腎生検がゴールドスタンダードである。そして移植腎病理の診断は1990年代からBanffと決まっている。・・のであるが、全部一気に覚えようとすると挫折する。かといって、「じゃあ本でも一冊買って・・」などとやると、(よほど真面目な友人が抄読会でもしてくれない限りは)仕舞い込んでそのままになってしまう。

 そんなわけで筆者もすべてを一気に知るつもりはないが、徐々に身近なところからまとめてみようと思う(参照はCJASN 2020 14 430)。Let's get your feet wet(いきなり泳ぐ・潜るのではなく、まずは足だけ水につけましょう、というイディオム)!


(出典はこちら


7/25/2024

International cases

 米国の病院で国外の患者が臓器移植を受けることは珍しくない。国外の患者であっても、米国で評価され移植待ちリストに載れば、透析開始からの時間が米国の患者と同じようにwait timeとしてカウントされる。

 ただし、医療費は全額自費である。

 したがって、多いのは(非常に財力があり国民の数が少ない)中東諸国の患者で、医療費と滞在費、交通費が領事館から全額支給される。首長の一族などである必要はなく、国民であればだれでもその権利を得られる(ただし、こうした国は移民に対して滅多に国籍や市民権を与えない)。

 なお、近年はMayo ClinicがUAEに分院を建設する(下図参照)など、そうした国々でも自前で移植が受けられるようになってきた。そのため、どうしても(過去の移植で高度に感作されたなど)困難な症例が米国に紹介されることが多い。


(出典はこちら