入院中のタクロリムス管理は難しい。採血が一定時間でないこともあるし、患者が定常状態でない(嘔吐、絶食、下痢など)ことも多いし、そもそも用量調節後に血中濃度が新しいレベルに達するまでには数日かかる(徐放のEnvarsusなら尚更だ)。
しかし、タクロリムス濃度の患者内(intra-patient)変動が高いことと、治療域にある時間の割合が低いことは、新規DSAや拒絶、グラフト喪失のリスクになる。どちらかというと、治療域にある時間が短いほうが、変動幅よりも問題なことが分かった(Transplantation 2020 104 881)。
入院に限ったデータがあるかはわからないが、いっそうタクロロジーの修行に励まなければならないと思った。