3/08/2025

Donor care unit

  Donor care unitという言葉を初めて聞いた。死後のドナーを専門に診るユニットで、臓器提供だけでなく、臓器の質を最適化することを目標にしている。最初に始めたのはセントルイスのMid America Transplantであるが、米国各地にある。

 臓器提供の意思が示され、死亡確認が(脳死・循環死を問わず)なされたら、少しでも多くの臓器を少しでも高い質で提供するために手を尽くすことは、レシピエント・移植施設だけでなく、遺族の希望に沿うことでもある。

 そして、臓器提供の業務は患者診療の片手間に行えるほど簡単なものではない(うえ、たとえば集中治療室のなかに目標の違う患者が混在していては混乱するだろう)。

 もちろん、donor care unitが成り立つためには、お金が必要だ。詳しくは分からないが、移植施設が移植の際に受け取るお金の一部が、臓器提供ごとにOPOやdonor care unitに支払われていると思われる。

 ただし、輸送費用(飛行機だととても高くなる)、臓器潅流(とポンプを管理する専門職にかかる)費用などは、移植施設が支払うようだ。つまり、近隣のOPOからOOSで臓器を受け取ることは、輸送費用の節約になる。