6/13/2025

Guardian Angels

 一部の患者さんには、移植された腎臓に名前を付ける習慣がある。上司の一人は「移植された腎臓は赤ちゃんのようなものです、最初は手がかかりますが、だんだん手がかからなくなります、一緒に守って行きましょう」と術後の患者さんに説明する。

 どんな名前を付けるかは、もちろん患者さんの裁量である(一部の患者さんなので、付けない人もいる)が、時には「私と同じように移植を受けたがのちに亡くなった友達の名前」「この腎臓を移植される前に亡くなった親の名前」といった答えを聞くこともある。

 献腎移植を待つ人にとって、腎臓を受けることは奇跡のように感じられてもおかしくない(もしかしたら、天国から見守ってくれている誰かの助けがあったのかもしれない・・というように)。あるいは、この腎臓を守ってくれますように、という思いを込めてのことかもしれない。