6/10/2025

TPE and CVID

  腎移植で(とくに、拒絶などに対する治療で)免疫抑制をつかうたびに、そんなに使って大丈夫?と心配になってしまう。もちろん、何のリスクもないわけはない。黎明期に怖れられたCMV感染は予防薬によってコントロール可能になったが、たとえばrATGは積算量がたまるとのちのち悪性腫瘍などを起こす。

 ただし、life-prolongingではなくlife-savingな臓器移植の場合、拒絶と悪性腫瘍のどちらを取りますか?とは言えない面もある。以前カンファレンスで肺移植患者でもあるICU医がパネルディスカッションでその質問を(life-prolongingな臓器である腎移植内科医から)されて、やっぱり拒絶のほうが嫌だと答えていたのが印象に残っている。

 「のちのち」の逆に、すぐに困る副作用もあって、たとえば血漿交換をおこなうと免疫グロブリンが(当たり前だが)減る。そのため、もともと免疫グロブリンが少なく皮下注IgG製剤などで補充しているCVID患者などでは、免疫グロブリンがとても低くなってしまう。そのため、FSGS再発例など長期的に多い回数交換を要する場合には、免疫・アレルギー科医と相談しなければならない。