移植医療も腎代替療法の一つであり、透析と同様に保険適応となる。Medicare Part A(入院診療の保険)は:
・入院治療費
・腎臓登録費
・レシピエントとドナーの評価費用
・腎臓を見つけるための費用
・ドナーの術後に発生した問題の入院治療費
・輸血、血液製剤
などをカバーする。また、ドナーのケア(術前、手術、術後を含む)も含まれ、ドナーのケアについてはレシピエント・ドナーともに自己負担は発生しない。
Medicare Part B(外来診療の保険)は、輸血、血液製剤、移植手術とドナー入院治療のdoctors' servicesをカバーするほか、移植がMedicare保険で行われた場合には免疫抑制薬をカバーする。
こうしたルールは医師よりも事務のほうが詳しく、例外などもあって複雑であるが、耳にしたことが二つある。一つはglobal paymentで、移植後3ヵ月間については内科・外科・泌尿器科などを含めた包括的な治療費が支払われる。理論上は、経過良好な症例が多いほど施設のもうけが多くなる。
もう一つは2020年に可決されたImmuno Bill(Immunosuppressive Drug Coverage fo Kidney Transplant Patients Act)で、これにより免疫抑制薬が生涯カバーされるようになった。それまでは3年間しかカバーされなかったため、3年目からグラフト成績が低下するという如実な結果がみられていた。