透析カテーテルを挿入されると、挿入部位の静脈が狭窄したり、血栓を作ったりする※。とはいえ抜去してしまえば以後それほど問題になることは少ないのであるが・・腎移植の際に思わぬ痛い目にあうことがある。
たとえば、手術のために中心静脈カテーテルを挿入したくても、狭窄のため内頚静脈に挿入できなかったり、挿入に手間取ったりする。透析カテーテルが入っていたためであるが、何年も前のことであるから、事前に把握できないこともある。
また、米国では上肢内シャントの閉塞・内頚静脈カテーテルの機能不全などにより大腿静脈カテーテルで透析を受ける患者もいるが、そうした既往がある場合、外腸骨静脈に血栓や狭窄があってグラフト腎静脈を吻合できない、といったことも起こりうる。
【おまけ】10年前、筆者がいたころの米国では緊急時には一時的透析カテーテルを(時に苦労しながら)挿入し、以後シャントや長期的透析カテーテルに切り替えていたが、現在の米国ではIR(透視を行う放射線科)が挿入し、しかも全例長期的透析カテーテルである。