移植腎の周囲が瘢痕などで硬い場合、押し返されて生検針がうまく射出せず、刺さりはするが検体は得られない(トリガーの半分しか開かない)ことがある。生検針をしっかり持ってトリガーを引くか、瘢痕を確実に超えてからトリガーを引くかであるが、後者の場合は腎臓より深いところまで刺入する恐れがあるので、厚め(で深いところに何もない)場所を選ぶ必要がある。
時々、生検針がシャドーを引いて、針先がまだ腎臓に達していないのにシャドーが腎臓のなかに見えることがある。そんな時は、シャドーであるという確信が持てるまでは深入りしない方がいいが、シャドーであると確信できるなら深く入らなければならない。確信を持つには、徐々に刺入することで針先を見失わないようにすること。それから、検査技師さん(technicianよりも、ultrasonographerというと、聞こえがいい)の目を借りること。