移植腎生検を経皮的に超音波ガイドで行っている者からすると、手術室で露出された腎グラフトを目視で生検するなんて、それ以上に簡単な手技はないように思われる。・・が、針を深く進めて髄質しか取れなかったり、処理を間違ってしまったり(凍結してしまう、別の保存液に入れてしまう・・)で、有益な情報が得られないことがある。
そんな時には、自分が手術室に入って実際に正しいやり方を見せるのが、最も効果的である。ただ、そのためだけに手術室に行くのは手間だし忙しいので、結局「こうやるんだよ」というだけでなかなか解決せずにいた。それで、このあいだ研修の一環で手術を見学した際にpost-perfusion biopsyを実演した。
すると、最初は「それじゃあ検体は取れていないのでは?」と不審がられ、適正な検体が取れているとわかると「こうやるのか!」と驚かれ、「これからはそのやり方でやるよ!」と感謝された。さらに、腎臓内科スタッフも腎病理医もカンファレンスで非常に喜んでいた。ちょっとしたことで大きなインパクトを残せるのは、気分がいい。