移植腎の機能に最も高頻度で影響するのは、拒絶・・ではなく血行動態で、体液量や血管調節機能の評価に最も重要な診察の一つが起立性低血圧のチェックである。ただし、臥位→座位→立位で血圧と脈拍を測定するのは結構手間だが、巨大な診察台を傾斜させて行うtilt testよりはずっと簡便なので、わりと高頻度で行われる。
今いる施設の外来では、医師が自らやらなくても、バイタルサインを測定する係(physician assistantか)に言えばやってくれるし、結果を知らせてくれる(カルテにも載せてくれる)ので有難い。入院では担当看護師さんにお願いするが、バイタルの表には載らず、看護記録に載るので、探すのが少し大変なことがある。
ただ、グラム染色などと同じで、医師がやるとinter-operator variabilityがまちまちになるうえ、それを基に点滴するか(グラム染色ならどの抗菌薬にするか)などを決めることも考えると、いつもやっている慣れた人がやってちゃんと記載するほうが質が確保されるようにも思われる。