移植腎臓内科医になると、一般腎臓内科医の仕事をしなくなることが多い(大きな移植プログラムであればなおさらだ)。すると、考え方に一般腎臓内科医と開きがでてくる。たとえば、浮腫などがない限り、利尿薬を使うことをためらいがちになる。難治性高血圧の定義は利尿薬を含む降圧薬3剤に抵抗性なこと(や、CNIによる高血圧に対してはサイアザイドが理にかなっていること)は知りつつも、利尿薬なしの3剤で「血圧が管理できない」と嘆いたりする。同様に、蛋白尿などがない限り、RAA系阻害薬もなかなか使わない。ESAの使用頻度も、低い印象がある(もっとも、だいたい患者は機能的鉄欠乏=利用障害があるので、HIF-PH阻害薬のほうが有効だろうが:米国ではまだあまり使われない)。